今回の湯殿山のメンバーは山スキーヤー3名、テレマーカー2名の構成で、いつもと違って賑やかなツアーとなった。集合時間の7:00AMに志津に到着してみると車が3台位あったが、どうやら今日の先行者はいない模様だった。昨日は知人の壮行会が寒河江であって体が鉛のように重かったが、朝からのすばらしい晴天ですっかりモチベーションも上がってきた。今日は何時になくにぎやかな面子で、この好天も幸いして何か楽しそうな予感。私はあまり月山を訪れたことは無いが、他3名は月山に通いなれたメンバーなので自分はただ後をついて行くだけ。
2月19日 志津7:20〜尾根取付き8:20〜湯殿山9:45 10:00〜東斜面〜石跳川10:15 11:10〜装束場11:50〜姥ヶ岳12:55 13:15〜姥沢13:35〜志津14:35
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駐車場を出発すると目標の湯殿山の白く輝く山容が目に入る。石跳川から見る湯殿山はすっきりした尾根が張り出し、まるでスキーヤー大歓迎とでも言うように我々を招いている。今日は多少気温が高いようだが、朝からのすばらしい晴天で何か引き締まった様な雰囲気。石跳川には昨日のトレースが途中までついており、軽い粉雪を快適にスキーで進んでゆく。石跳川左岸の斜面は見事なブナ林で傾斜も手ごろ。今頃の時間帯だったら軽いパウダーを満喫できる、すばらしいツリーランを満喫できるだろう。
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志津の修了点から湯殿山 |
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積雪はいったい?m |
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自然博物館の屋根もこの通り |
殆ど石跳川沿いに進んでいって途中から右岸の緩い雪壁を越し、小休止してから登り易い緩やかな尾根を上がって湯殿山を目指す。雪はくるぶしからスキー靴位でラッセルも苦にならず、どんどんトップを交代しながら快適に高度を上げて行く。やがて森林限界を超えて大斜面を右にトラバースし、山頂に至る尾根を目指して快適に登って行く。この先は膨大な量の雪に覆われた月山ならではの無木立の世界が広がり、この時期となるとどの斜面を見てもすばらしいパウダースキーのコースに見えてくる。
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石跳川から尾根の取付き点 |
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何処もすばらしいブナの疎林 |
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森林限界から尾根にトラバース |
尾根に上がって山頂方面を見上げるとすっかりガスに覆われて見えない。しかしここから見る山頂方面はま近に見え、小休止一回のみだがこのままノンストップで上を目指す。尾根上はクラストした斜面が所々現れ、ファットスキーに貼り付けた幅の狭いシールでは苦戦してズルズル後退する。やはり同じような境遇のテレマーカー千田さんも同様で、お互い途中で諦めて板を脱ぎツボ足で頂上を目指す。今年は大雪と思われたが意外と雪庇の張り出しが少なく、ガスっていても特に緊張感無しでいつの間にか山頂に到着。当初晴天だったらこのまま姥ヶ岳を目指す予定だったが、今日は視界不良で諦めシールを外して下降の準備に取り掛かる。
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朝日連邦の石見堂、赤見堂方面 |
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石跳川へのドロップイン地点 |
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ミドルターンのテレマーカー伊藤さん |
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ショートターンの山スキーヤー木村氏 |
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石跳川へパウダーを蹴散らして |
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湯殿山の東斜面を振り返ると |
湯殿山の南斜面はこの時期最も面白そうに見えたが、山頂からのコースも確認できず視界なしでは滑ってもつまらない。下降は元来た尾根通しのコース沿い降りてゆくが、南側斜面はアイスバーンに少し雪が載っている。どうやら1週間前に雨が降ったらしく、雨が流れて下部の斜面には立て溝が出来た模様だ。何か期待を裏切られた様なので途中から反対側の東斜面出て、トップの荒井君が先頭を切って急斜面を石跳川に向かって滑り降りて行く。気温が高めでしかも東斜面の為、期待したパフパフのパウダーとは行かないが、谷底に落ちてゆくようなパウダーの浮遊感は実に快感。
ショートターンが癖になっている私ら山スキーヤーと異なり、2名のテレマーカー氏は快適なリズムのロングターン降りて行く。無木立のこの大斜面ではスピード感のあるテレマークが良く似合う。下部の斜面は立て溝の出来たアイスバーンとなってしまい、仕方なく大きく左にトラバースしてから石跳川まで一気に滑る。
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下部は少し重めのパウダー |
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小休止の後石跳川から姥ヶ岳を目指す |
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装束場のコルを目指して |
石跳川について小休止を取っていると、何処と無くもう一回との声がかかる。私はすっかり落ち着いてしまってウメ酒などをグビグビやっていたので、これから姥ヶ岳を目指すなどとは思っても見なかった。調子にのってほろ酔い加減の状態だったが、幸い装束場までは緩いカール状の登りで、周りの雄大な景観を楽しみながら登り詰めた。到着すると次第に天候は回復し、装束場のコルからは大きな雪庇の張り出した品倉尾根や、広大な仙人沢源頭の雄大な大斜面が目に飛び込んでくる。
いつもは蔵王などで藪山歩きが日常のスタイルの為、厳冬期のこの白い大斜面は実に新鮮な世界に思えた。コルから先は姥ヶ岳西斜面を姥ヶ岳を目指してダイレクトにコースを取る。傾斜はさほど無いがアイスバーンの上に雪が乗っている状態で、所々露出していてシール登行に難儀する。唯一スキーアイゼンを持参した荒井君だけは楽勝だが、残り4人は途中で板を担いでツボ足登行に切り替える。しかし上部に行くに従って硬くなり、ちょっと油断するとバランスを崩しそうで悪い。ガタガタのシュカブラをしばらく歩いて行く広い姥ヶ岳の山頂だった。
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装束場から姥ヶ岳 |
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所々硬いアイスバーンてアイゼンが欲しい |
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姥ヶ岳山頂を目指して |
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品倉尾根と仙人沢の源頭て |
山頂に到着してみるとすっかり天気は回復し、真っ白な雪に覆われた雄大な月山が対じしていた。良く見ると月山山頂方面にトレースが有り、下の斜面に登山者1名が豆粒のように見える。きっと山頂付近はシュカブラとガリガリのアイスバーンで、スキーで登下降するには厳しい状況と思うが、いったい何処まで行ったのか?
山頂から姥沢方面の斜面も固いアイスバーンで、やはり縦溝が出来てあまり快適な斜面ではないが、中間部からお待ちかねのパウダー斜面となっている。姥沢からは2名のスキーヤーが登って来たが、やがて姥ヶ岳に登頂すると姥沢へすぐに滑り降りていった。シールを外して山頂からの滑降を開始。斜面は南向きの為若干雪が重くスキーを回し難いが、このビックスケールの大斜面ではこれ以上の贅沢は言うまい。ここでいいショットを収めようとしたが、デジカメのバッテリーが切れてしまい肝心な所で画像なしとなる。
この時期の月山でも好天に恵まれ、結構姥ヶ岳辺りまで登ってくる方もいる様だ。4月頃の月山と違って静まり返った様子で、ノントレースの大斜面を思う存分滑る快感はやはりたまらない。姥沢の上部付近で一旦小休止し、その後は石跳川を目指してブナ林の適度な斜面を快適に降りて行く。後はすっかりトレースのついた石跳川を快調に滑り、あっという間に自然博物館に到着した。
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後ろは装束場から湯殿山 |
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姥ヶ岳から月山の山頂 |
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姥ヶ岳の山頂 奥は月山の山頂 |
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姥ヶ岳から姥沢方面へのパウダーラン |
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